女性にとって「いいセックス」とは?

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女性主体のセックスを。
女性主体のセックスを。

いいセックスって何?」という女性からの問いかけ。
掲載されているのが朝日新聞なので、セックスをテーマにしつつも、複雑な背景があり、やや深刻な内容になっている。

だが、この問題は重要なことでもあるんだ。

性暴力も愛情と勘違い… いいセックスって何だ?:朝日新聞デジタル

 いいセックスって何だろう。社会活動家の仁藤夢乃さんは問いかけます。女性の性が軽く扱われる世の中で、男女が対等にセックスを楽しむなんて、そもそも無理じゃないかと。

(中略)

先日、女子中学生のアンケートに関する新聞記事を読みました。「雑誌や広告に女性のヌードや水着姿が載っているのを見たら嫌な気持ちになる」という回答が激減したそうです。性の商品化が当たり前になりすぎて、違和感を持てなくなっているのです。

(中略)

性教育の専門家の村瀬幸浩さんからは、もっと女の子が性を前向きにとらえられるような発信をしては、と提案されました。気持ちはわかります。でも、無理。女の子たちがこれだけ性で傷ついているのに、「前向きに、主体的に楽しもう」なんて、私は言えない。

私自身、セックスは全然主体的じゃないです。中高生に「セックスでしてほしいこと、してほしくないこと、ちゃんと相手と話し合って」と呼びかけるのに、自分はパートナーに聞かれても答えられない。

筆者の仁藤さんは、「男女が対等にセックスを楽しむ」ことを可能としてくれる男……つまり、女性本位のセックスをしてくれる男と出会えなかったんだと思う。

今の世の中、男女平等といいつつも、それは建前であり、現実には女性は差別されたり格差があったりする。セックスにおいても、男女平等にはほど遠く、女性は自由ではなく、いろいろと束縛されている。

性暴力や虐待は肉体的・精神的なダメージになるし、犯罪でもある。
しかし、直接的な暴力でなくても、言葉による威圧や価値観の押しつけなどで、「性」に対する歪められた認識を植え付けることはあまり問題にされない。それは「しつけ」とか「教育」として正当化されるからだ。

たとえば、「女の子は……かくかくしかじか……であるべき」という価値観の押しつけだ。
女の子だから、スカートをはく。女の子だから、ピンク色。女の子だから……と、当人の好みなどおかまいなく規定されてしまう。これは一種の洗脳でもある。この規定から外れると、「女の子らしくない」というレッテルを貼られる。

逆に、「男の子だから……」という刷り込みもあり、そうやって育った男女は、無意識のうちに社会風潮に求められる男と女の役割を担ってしまう。

社会の男女平等が建前だから、個々の男女関係においても平等は建前になり、セックスの男女平等は実現しない。

悲しいかな、これが現実だ。
だが、そんな男女不平等なセックスに疑問を抱き、対等になれるセックスをしたいと思う男もいるんだ。
極めて少数派ではあるが。

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オレは、そんな男のひとりだと思っている。

男が満足するだけのセックス……入れて、射精して、終わり……は、オナニーの延長でしかない。そんなセックスしかできない男は、ただの未熟者だ。子作りのためのセックスなら、それでも目的は果たせるが、「女性にとっていいセックス」にはならない。

オレは常々、女性本位のセックスを心がけている。
彼女がしたいセックス、望むセックスをする。
それを可能とするには、大前提がある。

彼女とセックスについて、とことん語り合うことだ。

男と女では、セックス観が違う。体が違うし、感じ方も違うし、好みも違う。共通点もあるが、違う点の方が多い。相手が望むこと、相手の気持ちを知るには、コミュニケーションを密に取る必要がある。それができなければ、女性本位のセックスはできない。

ところが、セックスのことを男女間の話題にすらできないカップルは多いだろう。
恥ずかしいとか照れくさいとか、セックスのことを話すと嫌われるかもしれないとか、互いに遠慮してしまう。重要なことなのに話し合えないのであれば、男女の溝は埋まらない。

オレは、セックスに対してトラウマを抱えている女性たちを相手にしてきた。
父親から虐待されて男性不信になった女性、親の不仲で愛情を知らずに育った女性、夫(または彼)とのセックスで満足感が得られずに悩んでいた女性、性行痛でセックスができない女性、レイプされた経験でセックス恐怖症になった女性……等々。
彼女たちは、精神的・肉体的に抑圧され、悩みやコンプレックスを抱えていた。
現状から抜け出したいと思い、セックスへの願望もあった。
そのためには、救い出してくれる男が必要だった。

オレは彼女たちのために、最善を尽くした。
彼女とセックスについてたくさんの話をして、彼女のセックス観やどんなセックスをしたいのか、本音を聞き出した。セックスでは裸になるが、心も裸にならないと、真の一体感というのは得られない。男女双方が、セックスについて共通認識というか、多くの接点を持たないと、セックスの不一致になってしまう。

彼女が満足感を得られるセックスができるように、オレにできることはなんでもした。
それが女性本位のセックスだ。

加えて、女性本位のセックスには、女性の積極性も欠かせない。

女性から積極的にセックスをしたいと思うこと。
しかし、そのことに対して抵抗感や罪悪感を感じる女性は少なくない。女性は性欲を表に出してはいけないという刷り込みがあるからだ。セックスに積極的な女性に対して、「淫乱」などと表現するのは大間違いなのだ。女性にも性欲はあるし、人によっては男勝りの性欲がある女性もいる。だが、その性欲を表に出せない風潮があるために、抑圧されてしまう。

オレは、彼女の性欲を解放してあげる。
オレに対しては、遠慮することも、恥ずかしがる必要もないと。
心の重しを取り除いてあげることで、彼女は積極的になれる。

また、「性の商品化が当たり前になりすぎて、違和感を持てなくなっている」というのは、良い面と悪い面がある。

良い面としては、ミニスカートを着られるとか、露出の多い服を着られるとか、服装が自由になったこと。それが男性目線の色気だとしても、女性自身がそれを可愛いとかオシャレだと思っているのも事実。50年前は、ミニスカートすら御法度だったのだから。

AKBなどの女性アイドルも、性の商品化の産物ではある。
「恋愛禁止」などというルールで、彼女たちの処女性を担保するのは、少女たちの性を商品化しているからだ。だが、そんなアイドルに憧れる少女たちがいて、アイドルを目指せるのは、性の商品化があるからでもある。そうでなければ、アイドルは商売にはならない。

悪い面としては、性の商品化の対象が女性に偏りすぎていることだろう。
女性タレントのヘアヌード・グラビアはたくさんあるが、男性タレントのヘアヌード(つまり、ペニスの露出)はない。男性向けアダルトビデオはたくさんあるが、女性向けは極めて少ない。マンガや小説で、BLなどの男性同士の恋愛ものはあるものの、量的には少なく、マイナーな位置づけだ。
たぶん、8:2くらいで、女性の性商品化が多く、あまりに偏りすぎている。

もっと男性ヌードを。
性の商品化にも、男女平等を……と、いいたいくなってしまう。

ただ、皮肉なことに、女性の性の商品化は、女性の自由や自立と不可分な関係ではあったともいえる。
かつては、女性が肌を露出すること自体が「はしたない」とされていた。1960年代、ミニスカートブームを起こしたツイッギーが許容されたのは、女性が自由を獲得しつつあった時代背景と無縁ではない。イスラム圏では宗教的な戒律として、女性は顔を見せることも禁止されている宗派がある。そのような環境では、女性の自由は制限されるが、性の商品化も起こりにくい。

仮に、「性の商品化禁止」ということになれば……

  • ミニスカートは性の商品化に結びつくから禁止
  • 水着の着用は性の商品化だから禁止
  • 肌の露出は禁止
  • アイドルは性の商品化だから禁止

みたいなことになってしまうかもしれない。現実離れしているようだが、ほんの100年前の日本は、こういう世界だったんだ。

そして、「私自身、セックスは全然主体的じゃないです」という、仁藤さん。
なぜ主体的になれないかというと、セックスに対する固定観念や偏見にとらわれていて、「自由」じゃないんだと思う。

パートナーに対して、セックスに関することをいえない、というのも、自由じゃないし束縛されている気がする。
たぶん、セックスに対する心の壁やタブーがあるんだろうね。その「殻」を破れない。

体も心も、素っ裸になれる相手が必要なのだと思う。

セックスは肉体の問題だと思われがちだが、心の問題も大きい。
体と心は切り離せないのだから、セックスは体と心の両方の問題だ。

男性は女性の体と性のことを理解し、女性は男性の体と性のことを理解する。
男女双方が、異性のことを理解しないと、「いいセックス」は成立しない。
ところが、この相互理解というのが、なかなかうまくできないことが多い。それぞれの性について、思っていること、考えていること、感じていることを、相手に伝えることを躊躇してしまうからだ。

性について、本音をいえない相手であれば、相互理解などできるはずもない。
結果、「いいセックス」などできないことになってしまう。

結局、女性にとっていいセックスを実現するためには、女性の性について理解ある男を探すしかない……ということだ。
その数は少ない。
おそらく、100人に1人(1%)か、1000人に1人(0.1%)か、そのくらい希少だろう。

いいセックス」をしたいと願う女性は、理解してくれる男性との、よい出会いがあるといいね。